【映画感想・レビュー】映画『わたしが発芽する日』姉妹二人の難しい関係を描くショートムービー【きょうだい児】

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映画『わたしが発芽する日』の作品情報

監督・脚本監督:野本梢
出演者藤原麻希
堀春菜
本間淳志
松木大輔
松本卓也
ジャンルドラマ
製作年2016年
製作国日本
上映時間27分
補足情報

映画『わたしが発芽する日』のあらすじ・内容

結婚を控えた紗耶(藤原麻希)と、空気を読むのが苦手な妹・優子(堀春菜)は2人暮らしをしていた。
ある日、紗耶は長年付き合っている彼氏(本間淳志)にプロポーズされ、それを快く受け入れる。
しかしその後、紗耶は妹の優子が花屋で花屋で起こしたトラブルについて、“なんで怒られたのか”を説明するが、それを優子はうまく理解できないでいた。
その様子を見た紗耶は「妹を一人にしてはいけない」と感じ、一度は承諾した彼氏からのプロポーズを断ることを決意する。

映画『わたしが発芽する日』の感想・レビュー・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (3.5)

姉妹二人の難しい関係を描くショートムービー


結婚を間近に控えた姉・紗耶と空気を読むのが苦手な妹・優子の2人暮らしを描いたショートムービー。

他のあらすじから妹のことを“空気を読むのが苦手”と書いたが、妹の障害については詳しく触れられていないためはっきりとはわからないけど、おそらく境界知能(IQ71以上85未満)か軽度知的障害(IQ50以上70以下)なのではないかと感じた。
そうすると、姉はきょうだい児ということになる。

30分にも満たない短い時間だったけど、「妹がどういう障害を持っているのか」そして、その妹に対しての姉の“苦悩”や“葛藤”みたいな感情がギュッと表現されていて良かった。
最後のシーンで、妹と別れた後に身体を伸ばすところと海辺でふいにしゃがみ込むところに、今まで抱えてきたであろう感情とこれからも抱えるであろう感情が混ざっていて胸がキュッとなった。

ショートムービーはほとんど見たことがなかったけど、たったの30分でも伝えらることがあるんだなーと思い知らされた。

地味に気になったことは、時々、特に最初の方の音声がアフレコしたかのような変な感じは気になったけど、いったいあれはなんだったのだろうか・・・。

タイトルの『わたしが発芽する日』の“わたし”は、いままで妹を支えることばかりに使われていた姉・紗耶の自分のためだけの人生が始まった(発芽する)ということを意味するのか。
それとも、妹・優子が、“普通”という枠組みを乗り越えて、いつか自分らしい人生を送れるようになれますようにという希望を込めて“わたしが発芽する日”と名付けられたのか。
それともその両方なのか・・・。