【書評・レビュー】うつ病の人を支える側の心に寄り添う『うつ病の妻に僕のしてあげられること』感想・レビュー

【書評】支える側の心に寄り添う『うつ病の妻に僕のしてあげられること』感想・レビュー

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こんにちは、ルトラ(@lutraxlutra)です。

 

今回は、山田文夫さんの著書『うつ病の妻に僕のしてあげられること』をご紹介したいと思います。

 

タイトルの通り「うつ病の妻を支える夫の話」で、夫の目線でリアルな心情を吐露した本となっています。

 

最初に言っておきたいことは、この本を読んだとしても

  • 「うつ病の人の気持ちを理解する」とか
  • 「どうやって向き合っていけばいいのか」とか
  • 「なにか問題が解決する」とか

というわけではありません。

 

うつ病のパートナーのそばにいるからこそ感じる

「人には言えない、理解してもらえない心の奥底の悩み」をありのままに綴っているだけです。

 

だからこそ、いま現在パートナーがうつ病の人にとって、救いの本になるのではないでしょうか。

この本はこんな人にオススメ!
  1. いま現在、パートナーがうつ病の人
  2. うつ病を支える側の視点から見たい人
  3. 自分の心の奥底の悩みを言語化してもらいたい人

 

書籍の説明

著者について

山田文夫

うつ病を発症した妻を支える一人の夫。

書籍の内容・あらすじ

――本書は、うつ病の妻を支える平凡な夫のお話です。
家に帰ればうつ病の症状に振り回されて疲弊する毎日なのに、職場では愛する妻の病状をいつもいつも気にしている夫。
いっしょにいれば憤るのに離れれば心配でしかたがない。かといって、その気持ちが妻には伝わらないもどかしさ……。

夫として苦しみ迷いながらも妻に寄り添う混乱期、夫として妻にしてあげられることはなにかを模索する変容期、寛解期に近づくにつれ知る大事なこと。そんな夫が経験した、いくつもの気持ちがギュッとつまった作品です。
当事者、家族、恋人……。さて、いろんな立場からこの体験に読み触れてみてください。あなたならなにを感じ取りますか?

Amazon 商品の説明 内容より

書籍の目次

はじめに~うつ病のもうひとつの顔

 

第一章 妻との日常 ―― 夫の不安と苛立ち

  • らちのあかないこと
  • メール越しの安心と詮索
  • 待合室の少女
  • 期待なんてしてません
  • 子供たちが背負う〝やりきれなさ〟
  • 全てが裏目にでる悲しみ
  • 最後の運動会
  • ママはなんの病気?
  • トンネルの出口へ向かって

 

第二章 君について僕が思うこと

  • 勝ち組と負け組
  • 雑踏のぬくもり
  • サプライズ!
  • うつ病家族のメリークリスマス
  • 年の瀬の妄想
  • 両親の考え方
  • 一枚の年賀状
  • 真っ暗なバスルームから聞こえる水の音
  • 知られたくない病気
  • 入院は家族に見捨てられるもの?
  • 薬を飲むことと妻の負い目

 

第三章 未来への思い

  • 病名にこだわることの不毛
  • うつ病が治ればしてみたいこと
  • 妻に拍手を送りたいんです
  • 愛情と見返り
  • 夫の限界
  • 劣等感
  • 回復期は再発への入り口でもある

 

第四章 妻への接し方

  • キーマンであること
  • 小さなこと大きな支え
  • 腫れ物にさわる思い
  • うつ病家族に大切な三つのこと
  • メールに残された感情
  • 心の中で戦争してたね
  • 存在価値

読了時間の目安

ページ数は約119ページで、読了時間の目安は約1時間30分です。

書籍感想・ネタバレ・評価

正直、うつ病当事者の僕にとっては共感しづらい内容でした。

 

それはこの本の内容が悪いというわけでは一切なく『うつ病のパートナーを支える側の心に寄り添う』内容だからこそ、同じ境遇の人にしかわからない悩みがあるんだと感じました。

 

うつ病患者自身もそうですが、そのパートナーや家族などの支える人もまた、人には言えない悩みをたくさん抱えているはずです。

 

その悩みを一人で抱え込んでしまって、つらいと感じる人にとっては「自分と同じ気持ちの人がいるんだ」と救われる内容になっていると思います。

 

もし、友人のパートナーや家族がうつ病になったとして、その友人の“人には言えない悩み”を理解したいときに、もう一度読んでみたいです。

 

それでは、今日も良い一日を!

ルトラ(@lutraxlutra)でした。

この記事のまとめはこんな感じ!
  1. うつ病当事者の人にとっては共感しづらい内容かもしれない
  2. うつ病のパートナーを支える側の心に寄り添う内容
  3. 友人のパートナーがうつ病になったときにもう一度読みたい