【感想・ネタバレ】映画『リチャード・ジュエル』爆破テロから多くの人々を救った英雄が一夜にして全国民の敵となった【★5.0】

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『リチャード・ジュエル』作品情報

監督クリント・イーストウッド
出演者ポール・ウォルター・ハウザー
サム・ロックウェル
オリヴィア・ワイルド
ジョン・ハム
キャシー・ベイツ
ニナ・アリアンダ
イアン・ゴメス
デジャ・ディー
ランドール・P・ヘブンス
ウェイン・デュヴァル
ジャンルドラマ(実話)
製作年2019年
製作国アメリカ
上映時間2時間9分
補足情報原題:Richard Jewell

『リチャード・ジュエル』あらすじ

1996年、アトランタ爆破テロ事件を描いた実話の物語。
アトランタ・オリンピック開催中、警備員のリチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)はベンチの下で不審なバッグを発見。
迅速に通報、中身がパイプ爆弾だと判明し、急いで全員で避難誘導をしている最中、爆弾は爆発してしまう。
死者2人、負傷者100名以上を出す結果となってしまったが、彼のおかげで多くの人々の命が救われることとなった。
しかし、FBIは爆弾の第一発見者である彼を容疑者として逮捕。
さらに女性記者キャシー・スクラッグス(オリビア・ワイルド)がそのことを記事に取り上げたことで、容疑の報道は過熱していき、彼は一夜にして国民のヒーローとなり、一夜にして全国民の敵となってしまったのだった。

『リチャード・ジュエル』感想・ネタバレ・評価

ただのペンギン🐧の映画感想・レビュー&評価
総合評価
 (5)

報道の真実・正義とは何かを問う


アメリカ合衆国のジョージア州北西部に位置する都市「アトランタ」で実際に起きた爆破テロ事件を基にしたクリント・イーストウッド監督の作品。


主人公のリチャード・ジュエルは強すぎる正義感のおかげで、誰もがただの忘れ物と思ってしまうベンチ下にあるバッグ(パイプ爆弾入り)を不審物と判断し、結果として死傷者の数を抑えたことで英雄扱いされる。

しかし、その強すぎる正義感ゆえに起こした過去のいざこざなどが原因で、FBIから爆破テロを巻き起こしたテロリストとして疑われてしまうのは何とも皮肉なものだった。


FBIは証拠がないのにも関わらず、リチャードをほぼ黒だと判断し、容疑者として仕立て上げていく。
一方、記者の女は、FBIから「リチャードが容疑者候補として挙がっている」と言われただけで彼を犯人と決めつけて紙面で大々的に報道してしまう。

現代でも実際に起こっているであろうことだろうが、「真実」とは何か、そして「報道の在り方」を考えさせられる映画だった。


後半、リチャードの母親が息子の無実を大勢のメディアに訴えかけるシーンがあるのだが、母親役のキャシー・ベイツの迫真の演技に思わず涙を流さずにはいられなかった。
全体的に映画として良かったのだが、このシーンを見たことで、この映画の評価が最高の★5.0に決まった。


終わり方も良いしリチャードの今後についてもちゃんと描かれていてスッキリ。

本当にとても良い映画だった。